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【さようなら、つぶちゃん】 [【つぶ亡くなる】]

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2023年11月09日 木曜
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◆つぶちゃん亡くなる 14時40分
朝、ミルクを飲ませた時に異常を感じ取った。
ミルクを飲ませても嚥下する力がなく、口からこぼれ落ちる。 飲みたくないというのではなく、飲む気力がない感じ。 

飲めるときも、自発的に舐めるというより、ミルクが喉に流れ落ちたのを呑み込んだという感じ。 用意した50ccはとても無理で、どうにか20ccだけ飲ませた。

縞子さんの最期の朝がこんな感じだった。 やばそうな予感を感じる。
ミルクのあとともあれ休養させるために酸素室に入れる。 呼吸は落ち着いていて、容態は安定しているようにも見える。

明日、病院に行く予定だが、抗がん剤をやるとか言うのは無理そうに感じる。 それよりも鼻カテを入れてもらってせめて楽に栄養を採れるようにするのが先決だろう。 

和香の時に6ヶ月も鼻カテだけで生きることができた。 やればやれるはず。

容態が落ち着いている隙に、トイレシートとペットシーツを買う。

昼に帰るがつぶちゃんの容態は変わらず落ち着いている。 酸素室の前で様子を見ながら付きそう。

13時過ぎ、つぶちゃんがやたらと歩き回るようになる。 歩いてはよろける。酸素室の中の段ボールハウスの壁に体が倒れかかる。 様子がおかしい。 具合が悪そう。 酸素室の中だと支えてあげられないので外に出し、マウスピースでの酸素供給に切り替えたい。

マウスピース用の緑色のホースに繋ぎ換えないといけない。
ホースを繋ぎ、マウスピースを繋ぐ、ホースとマウスピースの接合が少し緩く、外れる...これではいけない。 マウスピースとホースを養生テープで固定する。 やっと準備ができた。 数分かもしれないが、とても長く感じる。

つぶちゃんの顔の先にマウスピースを寄せる。 こうすれば、絨毯の上でできるだけ楽に、自由な姿勢をとってもらえる。 マウスピースが付いていてよかった! 借りるときは意識していなかったが、最期の時に、ガラス越しでないこと、体を支えてあげられることは大きな違いだ。

つぶちゃんは、苦しそうだったり、落ち着いたりを繰り返している苦しそうなときは、何とかしてと言いたいのか、さかんに「ニャア、ニャア」と鳴きかけてくる。 何とかしてあげたいが、できることと言えば、体を撫でてあげること、できるだけやさしく名前を呼んであげること、酸素吸入をしてあげること、位しかない。

しばらくすると状態が落ち着いてきた。

今日は持つかも。 それでも、もう、明日か、明後日か... 

持ちこたえられそうなら、夜通しで付き添う必要がある。ほかの皆には悪いけど、今日は1階でつぶちゃんに付き添っていよう。

でも、少なくとも明日、病院に行くとか、鼻カテを入れてどうこうではないことは確かだと思う。

それでも、最期まで離れずにずっと一緒にいてあげられるのは良いことだと思う。

ひとりで、何の事か分からないまま苦しむのは辛いだろうから。

一緒にいてあげる。それしかできなくても、それをしてあげることは重要だ。

14時過ぎ、再び苦しそうな様子と、落ち着く状態の繰り返しが起きる。
明日まで、無理だろうか...

つぶちゃんはニャアニャア鳴く。 体を撫でながら、「つぶ、傍にいるから大丈夫だよ」と声をかける。 つぶの見える方の片目の視界に自分が入るように体の向きを変える。 見えてるかどうかは分からないけれど、見えているなら、視界にいた方がいいだろう。 

体を撫でてあげると、尻尾をピコピコさせて答えてくる。 
手を握ると、ギュッと握り返してくる。 
手のひらが冷たい... 
もう駄目なのだろうなと思う。 
でも、つぶはまだ生きているし、意識もある。

14時30分...手が握り返して来なくなる。 
でも、片足はまだ動かしている。 
動いている足の指先を撫でてやる。 
口を開けて呼吸している。 舌が出ている。 
悪い要素しかない... 
呼吸がだんだん不規則になってくる。
ふぅっと息を吸ったと思うと10秒ほど呼吸が止まり、また、はあっと吐き、また深く吸う...

酸素があっても、呼吸が続かなければ、酸素を送れない...
出来ることがもうない。 
でも、一緒にいてあげることは出来る。 
息を吸える時のためにマウスピースをあてがい続けることも出来る。

14時40分...最後に大きく息を吸ったのを最後に呼吸が止まる。 
病院だったら蘇生措置も出来るかもしれないが、自宅ではもはやなせる事はない。 でも、それでいい。 例え蘇生しても、その後どれだけ生きられるか。 そう考えると、これが最後でも良い。 

つぶちゃんは足を動かしている。 どこかに歩いていこうとしているのだろうか。 
耳は最期まで聞こえると言われたことを頼りに耳元に声をかける。
「つぶ、大丈夫。大丈夫だよ」
呼吸はその後2度となかった。 

病院でないので死と判定すべき情報がない。 まだ生きているかもしれないと思いながら体を撫で、声をかける。
背をトントン叩いてみる。 
20分ほどそれを続けたが反応はなかった。 
体はまだ暖かいが、手足の先は水のように冷たい。 
たぶん、もうおしまいなのだろうと思う。

体を胡座の上に抱き抱える。 普通に生きているように見える、ただ眠っているだけのように感じる。 でも、抱いているうちに体が少しずつ硬くなってくるのを感じる。 そんなに早く固まるものだろうか... などと考える。

つぶは9歳。 いまいるメンバーのなかでつぶが最初にいなくなるなど想定していなかった。 年齢から言って、亜音さんがそろそろと思っていたが...

エイズ持ちとはいえ、早かった。
きいちゃんが亡くなってから、寂しそうだったけれど、最近は亜音さんと仲良しになってよかったと思っていた矢先だった。

つぶは控えめで、いつもこそこそ隅っこに引っ込んでいて、自分から「構って」と言ってくるタイプでなかった。 近寄るとコソコソ逃げてしまうのでつい構わないようにしてしまっていた。 

でも、いちど構われると抱っこしたり撫でられたりするのは隙だった。 もう少し、お節介でも抱っこしたり撫でたりしてあげればよかったと思う。 そうすれば、もう少し早く病気も見つけられたかもしれない。

その後何をしていたか、良く覚えていない。
つぶを2階に連れていって寝かしてあげて、亜音さんたちがお別れできるようにしてあげた。 亜音さんはいつもだと人が覗くと逃げるのだけど、その日はつぶの近くでじっとつぶを見つめて、身動きせずにじっと見つめていた。 夜中、亜音さんは「あおん、あおん」と鳴きながら部屋の中を歩いていた。

ちびこと小雪はつぶがなくなったことは分かったようだったけれど、特段大きな反応を示さなかった。 くろこは事情がよく呑み込めない様子でつぶの回りをいつもと変わらない様子で駆け回っていた。


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